大学と大学校の違いとは｜認可を受けるか受けないか

高校を卒業した後の進学先としては、大学というのが一番メジャーですよね。
ですが、大学の他に大学校というものを耳にする機会も多くあります。

この大学校とは、どういう学校なのでしょうか？
そして、大学と大学校の違いは何なのでしょうか？

今回の記事では、大学と大学校の違いについて見ていきたいと思います。

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大学とは

大学は、学校教育法に規定されている学校の１つになります。
この法律の定めに基づいて文部科学省が管轄し、学術研究および教育の最高機関と位置付けられているのが大学です。
入学資格も学校教育法や施行規則で定められており、高等学校卒業かそれと同等の学力を有すると認められた者に限られています。

大学における修業年限は原則として４年間ですが、医学や薬学といった一部の学部は６年制です。

必要な教育課程を修了し、大学を卒業すると学士の学位が授与されます。
一般的には学士の学位が授与される教育機関を大学といい、短期大学や大学院と区別されます。

設置には国の認可が必要

国の管理下にあることから、大学を設置するには国の認可が必要です。
学部を新設したり、統廃合を行う場合にも、国の認可が求められます。

2019年現在、日本にある大学の数は約780校です。
そのうち国公立大学は２割ほどで、残りは私立大学となっています。

大学の名称は大学のみが使える

国が認可した大学以外の教育機関が、大学の名称を用いることは法律違反です。
学校教育法135条にも、以下のような規定があります。
それなら「ラーメン大学はどうなるの？」と思うかもしれませんが、それは教育機関ではないのでセーフです。

大学校とは

大学校は大学と違い、これを規定する法令がありません。

管轄省庁が無く、法令の縛りを受けないため、自由な運営を行うことができます。
そのため修業年限も様々で、２～６年とバラバラになっています。

また、大学と違い、どのような教育機関でも大学校の名称を用いることが可能です。

そのため、専門学校や生涯教育講座が大学校を名乗っていることもあります。
例えば、「○○工科大学校」や「△△自動車大学校」といったものですね。

しかしながら、大学と比較する際の大学校とは、省庁や独立行政法人が設置した教育機関を指すのが一般的です。
代表的なものとして、自衛隊幹部を養成する「防衛大学校」、国税庁の内部研修機関である「税務大学校」、気象庁の幹部候補を養成する「気象大学校」、自治体職員の教育研修機関である「自治大学校」などが挙げられます。

大学校で学位は取れるか？

法律に定められた教育機関でない大学校では、原則として学位を取得できません。
ですが、独立行政法人学位授与機構が認めた大学校に限り、学位を授与することができます。

学位授与機構は各大学校からの申し出を受けて、教育課程、修了要件、教員組織、施設設備等を審査し、その大学校が学位を授与する水準にあるのかを審査しているのです。

現在、教育課程修了により学位を取得できる大学校は、以下のようになっています。

・防衛大学校
　防衛省が設置　本部は神奈川県横須賀市

・防衛医科大学校
　防衛省が設置　本部は埼玉県所沢市

・海上保安大学校
　国土交通省が設置　本部は広島県呉市

・気象大学校
　国土交通省が設置　本部は千葉県柏市

・国立看護大学校
　国立研究開発法人 国立高度専門医療研究センターが設置　本部は東京都清瀬市

・水産大学校
　国立研究開発法人 水産研究・教育機構が設置　本部は山口県下関市

・職業能力開発総合大学校
　独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構が設置

学位を取得できる大学校は、省庁や独立行政法人が設置するものに限られていますね。

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給与が支給される大学校も

省庁が設置する大学校の中には、入学金も授業料もいらないものがあります。
それどころか、在学中は国家公務員となり、給与が支給される大学校も存在するのです。

給与が支給される大学校は、以下の通りになります。

・防衛大学校
　防衛省が設置　本部は神奈川県横須賀市

・防衛医科大学校
　防衛省が設置　本部は埼玉県所沢市

・気象大学校
　国土交通省が設置　本部は千葉県柏市

・海上保安大学校
　国土交通省が設置　本部は広島県呉市

・航空保安大学校
　国土交通省が設置　本部は大阪府泉佐野市

これらの大学校は、全て各省庁の幹部候補生を養成するための教育機関です。


今回の記事では、大学と大学校の違いについて見てきました。


今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。