2010年代に入り、日本には空前の猫ブームが到来しました。
和歌山電鐵「貴志駅」の「たま駅長」が火付け役となったと言われるこのブーム。
猫の飼育頭数は犬を超え、「ネコノミクス」という言葉も生まれました。
猫に関する1年間の経済効果は、東京五輪がもたらす経済効果よりも大きいという試算もあるんですね。
そんな大人気の猫ですが、日本には「猫の日」なる記念日があることをご存知でしょうか?
今回の記事では、「猫の日」に関するトリビアと、関連するイベント等を見ていきたいと思います。
2月22日が「猫の日」に制定された理由

「猫の日」は、毎年 2月22日 です。
2月22日になったのは、猫の鳴き声「ニャン(2)ニャン(2)ニャン(2)」の語呂合わせによるもので、全国の愛猫家からの公募により決定しました。
その「猫の日」を制定したのは、愛猫家の学者・文化人で結成された「猫の日実行委員会」です。
「一般社団法人ペットフード協会」の協力も得て、1987年に記念日として制定しました。
「猫と一緒に暮らせる幸せに感謝し、猫とともにこの喜びをかみしめる記念日を」というのが、「猫の日」制定の趣旨とされています。
ちなみに、ペットフード協会は、同じ1987年に「犬の日」も制定しています。
こちらは、犬の鳴き声「ワン(1)ワン(1)ワン(1)」にちなんだ11月1日です。
関連記事:「犬の日」はどうして11月1日?意味や由来は?犬に関する日あれこれ
「猫の日」は世界各国で違う
日本では「ニャンニャン」と鳴くとされる猫ですが、他国では別の鳴き方で表現されます。
国によって、「ミュー」だったり、「ミアォ」だったり、「ヤオン」だったりするのです。
そうした関係もあるのか、「猫の日」は、国によってそれぞれ違う日に制定されています。
■アメリカ合衆国
アメリカ合衆国では、2005年に10月29日を「猫の日」に制定しました。
「保護救済すべき野良猫に対する住民の関心を惹起し、猫たちが我々人間に無償の愛を捧げてくれることへ感謝する」というのが、制定理由とされています。
■ロシア
ロシアでは、2004年に3月1日を「猫の日」に制定しました。
モスクワの猫博物館が制定したのですが、詳しい制定理由については不明です。
■ヨーロッパ諸国
ヨーロッパでは、2月17日を「猫の日」としている国が多いようです。
ただし、制定理由については、はっきりとしていません。
■台湾
台湾では、4月4日が「猫の日」に制定されています。
愛猫家の団体である「愛猫族連誼会」が呼び掛けて、投票などで決定したようです。
ちなみに台湾は、猫カフェ発祥の地と言われています。
■中国
中国では、8月27日に、北京で「猫祭り」が開催されています。
この「猫祭り」は、2009年から始まったものです。
■マレーシア
マレーシアには、マレー語で「猫」を意味するクチンという街があります。
そんなマレーシアの「猫の日」は、8月1日です。
万国共通の「世界猫の日」
カナダに本部を置く「国際動物福祉基金(International Fund for Animal Welfare)」は、8月8日を「世界猫の日(International Cat Day)」として制定しています。
制定されたのは、21世紀に入ってから(2002年)なので、比較的新しい記念日になりますね。
残念ながら、「国際動物福祉基金」では、「世界猫の日」の目的や制定理由を明らかにしていません。
ただ、「国際動物福祉基金」は、「世界中の野生動物やペットを取り巻く環境の改善」という使命を掲げています。
このことから考えると「世界猫の日」の目的は、「猫に興味関心を持ち、厳しい環境にいる猫を救う」というようなものと考えられます。
2月22日以外にも猫に関連した日が
2月22日の「猫の日」以外にも、猫に関連した記念日があります。
■9月29日は「招き猫の日」
9月29日は、1995年から「招き猫の日」に制定されています。
「日本招猫倶楽部」という、招き猫愛好家の団体が制定した記念日です。
「招き猫の日」の制定趣旨は、「いつも手を挙げて、私たち人間に福を招いてくれる「招き猫」に、1年に1度くらいは感謝する日があってもいいのではないか」というもの。
そして、9月29日になった理由は、招き猫が福を招くものであることに関係しています。
「来る(9)福(29)」の語呂合わせにより、9月29日になったというわけです。
■8月17日は「黒猫感謝の日」
8月17日は、「黒猫感謝の日」とされています。
もともと欧米で制定された記念日で、日本はそれに倣ったというわけです。
黒猫は、その毛色から「不吉」といわれ、時に「いじめ」や「虐待」のターゲットになってきました。
そして、「写真映えが悪い」等の理由により、他の色の猫と比べて捨てられやすく、里親も現れにくい傾向があります。
そうした黒猫の悪いイメージを払拭するために、黒猫の魅力を語る日として制定されたのが「黒猫感謝の日」なのです。
「猫の日」には様々なイベントが
毎年、「猫の日」に合わせ、全国各地でイベントが開催されています。
「ちよだ猫まつり」
東京都千代田区では、全国に先駆けて「猫の殺処分ゼロ」を実現しています。
その千代田区と「一般財団法人ちよだニャンとなる会」が開催するのが、「ちよだ猫まつり」です。
区役所庁舎を会場にした大規模なイベントで、猫グッズの物品販売(ニャンダフルマーケット)、猫に関するトークショー、コンサートなどが行われます。
また、猫の譲渡会も開催されています。
外部リンク:「ちよだ猫まつり2019」
「ねこ休み展」
人気のクリエイターたちによる猫作品や猫写真が、数多く展示されます。
展示作品には、SNSで人気を集める有名猫も数多く登場するので要注目です。
そのほか、猫グッズや猫作品の物販も行われます。
外部リンク:ねこの写真展・展示会「ねこ休み展」オフィシャルサイト
猫好きさんの祭典「にゃんだらけ」
猫に関するあらゆるものが集まるイベントが「にゃんだらけ」です。
猫グッズや猫用品はもちろん、猫インテリア、猫雑貨、猫衣類と猫尽くしの内容。
「にゃんカフェ」や「猫すい~つ横丁」といった、猫好きが楽しめるスペースも充実しています。
そして、来場者に多くのプレゼントが用意されているのも、「にゃんだらけ」の特徴です。
外部リンク:猫好きさんの祭典「にゃんだらけ」公式サイト
「なりきりニャンコ展」
猫好きが猫になりきって楽しめるイベントが、「なりきりニャンコ展」です。
「木のぼりファイト」、「ハンタージャンプ」などのエキシビジョンを楽しめます。
「キャットパラダイス」では、本物の猫との触れ合いも楽しめますよ。
外部リンク:「なりきりニャンコ展」
「猫の日落語会~猫好き大集合!」
実際に猫を飼っている、猫好きの噺家さんたちによる落語会です。
演目の中にも「猫要素」がふんだんに取り入れられ、猫好きには堪らない内容。
会場は、大阪市北区にある上方落語の定席「天満天神繁昌亭」です。
席数に限りがあるので、早めに問い合わせた方が良いでしょう。
外部リンク:猫の日落語会~猫好き大集合!
これ以外にも、まだまだ全国には「猫の日」に関するイベントがあります。
ぜひ、お近くのイベント会場に、足を運ばれてはいかがでしょうか。
今回の記事では、「猫の日」に関するあれこれと、関連するイベント等について見てきました。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。