新しい年を迎える正月は、日本各地で様々な催し物がなされる特別な日です。
ゆっくりと故郷で過ごしたり、海外へ出かけたり、普段と違った風景が見られます。
日本の最大のイベントといっても良い正月なのですが、それでは中国の最大のイベントとは何でしょうか?
それは、中国の旧暦の正月である「春節」です。
今回の記事では、その「春節」とはどのようなもので何をするのか、見ていきたいと思います。
春節とは
春節というのは日本でいう旧暦の正月です。
旧正月とも言われています。
中国では1912年に新暦が採用されました。
ですが伝統的な祝日は旧暦の暦に従って祝います。
なお、新暦のお正月は、元旦のみ休日となります。
休日にはなるものの、日本のようにお祝いはしません。
ちなみに日本も江戸時代までは、旧正月で年越しをしていました。
ですが、明治政府の時代に、旧暦が新暦に改められました。
そしてそれ以後は、現在のように、新暦の1月1日を元旦とするようになったのです。
しかしながら、中国のように、春節をもって新年を迎えるという国は、アジア諸国に多くあります。
<春節で新年を祝う国>
中国
台湾
韓国
北朝鮮
ベトナム
インドネシア
ブルネイ
モンゴル
シンガポール
マレーシア
アジア諸国では、春節をお正月とする国が、多数派のようですね。
春節はいつ?
春節の日程は、毎年変わります。
旧暦の新年を新暦と照らし合わせると、毎年複雑な変化をするからです。
2019年の春節は2月5日となっています。
ちなみに2018年から2022年の春節の日付は以下の通りです。
2018年:2月16日
2019年:2月5日
2020年:1月25日
2021年:2月12日
2022年:2月1日
中国では、春節は日本の元日にあたります。
そのため、その前後は特別な休日となります。
その期間は、春節の前日から7日間です。
7日間もの大型連休とは羨ましいですね。
そのため、この期間、大勢の中国人が旅行に出かけていきます。
中国の春節の過ごし方
先ほど述べた通り、春節の期間は旅行に出かける中国人も多いです。
ですが、家で伝統的な春節を過ごす人も相当数いるのです。
それでは、伝統的な春節の過ごし方とは、どのようなものなのでしょう。
除夕(じょせき)
日本でいう大晦日にあたるのが除夕です。
新年を迎える1日前ということですね。
この日、夜になると、街のあちこちで爆竹や花火が打ち鳴らされるようになります。
中国では、年越しの晩に爆竹を盛大に鳴らして、魔よけにする習慣があるためです。
爆竹と花火は新年に向かうにつれて、より賑やかになっていきます。
そして新年を迎える夜12時で、そのピークを迎えるのです。
ちなみに、中国にも日本の紅白歌合戦のようなテレビ番組があります。
それは中国中央テレビで放送される「春節聯歓晩会」という番組です。
この番組は除夕の日の20:00から開始され、年をまたいで放送されます。
そのため、この番組を見ながら新年を迎える家庭も多いのです。
大年初一
年が明けて旧暦の1月1日から4日が、大年初一です。
この期間は、日本のお正月とよく似ています。
年が明けると、神々を拝し、四方を拝し、祖先の霊を拝し、年長者への正月の挨拶をします。
親類等に挨拶まわりをするのも、この期間です。
正月初五
旧暦の1月5日にあたる日です。
花火や爆竹が打ち鳴らされて、賑やかな一日です。
この日は「財神」というお金の神様がやって来る日とされています。
「財神」を歓迎し迎え入れるため、爆竹と花火が打ち鳴らされるというわけです。
元宵節
旧暦の1月15日にあたる日です。
年が明けて、初めて満月になる日で、お正月の最期の行事をする日です。
家々に赤い提灯を掲げ、家族が一堂に会して食事をしたりします。
春節の食べ物
日本で大晦日やお正月の料理といえば「年越し蕎麦」や「おせち料理」です。
それでは中国で春節に食べられる料理とは何でしょう。
魚料理
中国の除夕の日の定番料理に魚料理があります。
除夕の日の料理を「年夜版」というのですが、そこで食べられているのが魚料理です。
これは魚が中国語の「余」という字と発音が同じであることに由来しているようです。
「余」の字から、毎年収穫が余るほど取れるようにとの願いが込められたわけです。
水餃子
中国では除夕の日の夜に、家族全員で水餃子を作る風習があります。
餃子を食べる理由には、餃子の形が金子や銀子に似ていて縁起が良いことが挙げられます。
そして餃子の「餃」の字に「交」の字が入っていることから、家族が仲良く過ごせますようにという願いも込められているようです。
中国のお年玉
日本のお正月で子どもがもらって嬉しいものといえばお年玉です。
そして中国にも、春節に子どもがもらう「圧歳銭」というものがあるんです。
この圧歳銭、やはり中国の子どもたちにとっても嬉しいもののようです。
一人っ子の多い中国では、親戚中から圧歳銭をもらい、数十万円になるケースもあるんだとか。
今回は中国の春節についてまとめてみました。
今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。