国民体育大会とは何?いつ行われる?どんな競技が行われるの?

世界的なスポーツの祭典といえば、やはりオリンピック・パラリンピックです。
その他にも、サッカーのワールドカップ等を思い浮かべる方も多いでしょう。

では、日本国内のスポーツの祭典といえば何を思い浮かべるでしょうか?

そう聞かれれば、国民体育大会(国体)を挙げられる方は多いと思います。
ですが、この国民体育大会とは、どういうもので、いつ始まったのでしょうか?

今回の記事では、国民体育大会についてのトリビアを、あれこれ見ていきたいと思います。

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国民体育大会とは?




国民体育大会とは、毎年開催されている日本国内最大のスポーツの祭典です。
その目的は、広く国民の間にスポーツを普及し、国民の健康増進と体力の向上を目指し、地方スポーツの振興と地方文化の発展を図ることとされています。

国民体育大会のあり方については、スポーツ基本法という法律で定められています。
そして、この法律の定めに基づき、日本スポーツ協会・文部科学省・開催都道府県の3者共催で開催されるのです。
※スポーツ基本法
1961年に施行されたスポーツ振興法を全面的に改正し、名称を改めたもの。「スポーツは、世界共通の人類の文化である」との理念から、国民生活におけるスポーツの多様な役割の重要性に鑑み、スポーツ立国の実現を目指すため、スポーツに関する施策を総合的かつ計画的に推進することを目的とし、スポーツに関しての基本理念を定めた法律。
全ての人がスポーツを楽しむ「スポーツ権」を盛り込んでおり、競技スポーツが中心だったそれまでの政策から、地域スポーツも重視することを定めている。

国民体育大会には、冬季に行われる冬季大会と、夏・秋季に行われる本大会の2つがあります。
冬季大会は1・2月のうちの5日間以内、本大会は9・10月のうちの11日間以内での開催です。

1947年の第2回大会から、大会歌として「若い力」(作詞:佐伯孝夫、作曲:高田信一)が、開・閉会式で歌われるようになりました。

また、本大会では、オリンピックの聖火リレーにあたる炬火リレーが行われます。
そして、開会式で炬火台に点火され、総合閉会式で納火されるのです。

国民体育大会の歴史


国民体育大会の第1回大会は、第二次世界大戦直後の1946年に京都を中心とした京阪神地域で開催されました。
開催地に京都地区が選ばれたのは、この地域が戦災を免れていたことが理由です。

大会開催のきっかけになったのは、1946年10月頃から日本体育協会(現:日本スポーツ協会)の理事が開いていた会合でした。
この会合の中で「全国規模の体育大会を開催してはどうか」という発言があり、それをきっかけに大会開催に向けた準備が進められたのです。

そして、関係者の尽力により、戦後の荒廃と混乱の中で、スポーツを通して国民に勇気と希望を与えるために、国民体育大会がスタートするに至りました。

日本スポーツ協会とは?


日本スポーツ協会は、東京都渋谷区に本部を置く公益財団法人です。

1911年、国民体育の振興とオリンピック参加に向けた体制整備のために、大日本体育協会が創設されたのが始まりとなります。
この大日本体育協会の初代会長を務めたのは、「柔道の父」と呼ばれる故・嘉納治五郎氏でした。

第二次世界大戦後の1948年に、大日本体育協会は日本体育協会へと名称を変更します。
その後、2011年に公益財団法人へと形態を移行しました。

そして2018年4月1日、日本スポーツ協会に改称し現在に至っています。

日本スポーツ協会の目的は、「スポーツ宣言日本」が示す社会像の実現を目指すための「スポーツの推進」です。
※スポーツ宣言日本
2011年に、日本体育協会と日本オリンピック委員会が発表した宣言
100年にわたって日本のスポーツが積み重ねてきた歩みを基に、次の100年はどこに向かって進んでいくべきかの指針を示したもの

日本スポーツ協会は、この目的達成のため、国民体育大会を始めとした様々な行事を主催している他、スポーツに関する資格認定等を行っています。

■日本スポーツ協会の主な主催行事

・国民体育大会
・スポーツ少年団の育成
・「体育の日」中央記念行事
・日本スポーツマスターズ  等


また、スポーツ競技連盟や各都道県体育協会等の統括事業も行っています。

■日本スポーツ協会に加盟している主な団体

・(公財)日本陸上競技連盟
・(公財)日本水泳連盟
・(公財)日本サッカー協会
・(公財)日本テニス協会
・(公財)日本バレーボール協会
・各都道府県体育協会
・(公財)日本障がい者スポーツ協会  等


■日本スポーツ協会が認定する主な資格

・スポーツリーダー
・競技別指導員資格
・ジュニアスポーツ指導員
・スポーツドクター
・スポーツ栄養士


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大会は都道府県対抗方式


国民体育大会は、第3回福岡県大会から都道府県対抗方式が取り入れられました。
これは、正式競技の順位を得点に置き換え、その合計点で順位をつけるものです。

冬季大会と本大会の得点を通算し、男女総合成績1位の都道府県には天皇杯が、女子総合成績1位の都道府県には皇后杯が授与されます。
天皇杯と皇后杯は、本大会終了後の総合閉会式において授与され、翌年の総合開会式にて返還されるものです。

国民体育大会の実施競技とは?


国民体育大会の正式競技として行われるスポーツには、以下のようなものがあります。
冬季大会に比べ、本大会の方が圧倒的に競技数が多くなっています。

■本大会

・陸上
・水泳
・サッカー
・テニス
・バレーボール
・レスリング
・バスケットボール
・相撲
・柔道
・トライアスロン  等の全37競技


■冬季大会

・スケート
・アイスホッケー
・スキー


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国民体育大会の開催都道府県は?


国民体育大会の開催地は、各都道府県の持ち回り方式です。

全国を東(北海道・東北・関東)・中(北信越・東海・近畿)・西(中国・四国・九州)の3地区に分けて、順番に開催されています。
ただし、冬季大会は開催できる地域が限定されるため、必ずしも順番通りにはなっていません。

本大会は、1987年の第42回沖縄県大会で全国を1巡し、翌年の第43回京都府大会から2巡目に入りました。
近年の開催都道府県については、以下の通りとなっています。

■本大会

・2018年 第73回 福井県(中地区)
・2019年 第74回 茨城県(東地区)
・2020年 第75回 鹿児島県(西地区)
・2021年 第76回 三重県(中地区)
・2022年 第77回 栃木県(東地区)


■冬季大会

・2018年 第73回 山梨県・神奈川県・新潟県(中地区)
・2019年 第74回 北海道(東地区)
・2020年 第75回 青森県(東地区)・富山県(中地区)
・2021年 第76回 秋田県(東地区)
・2022年 第77回 未定


国民体育大会は国民スポーツ大会に


2018年6月13日に、「スポーツ基本法の一部を改正する法律」が国会で成立しました。
これにより、永らく用いられてきた国民体育大会の名称は、国民スポーツ大会に変更されることになります。

初めて国民スポーツ大会の名称で開催されるのは、2023年の第78回佐賀県大会からです。
この改称の背景の1つには、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックがありました。

オリンピック・パラリンピックは、世界中から多種多様な人々が、スポーツのために集う大会です。
そこで、世界的に広く用いられている「スポーツ」という言葉を今後の基本とするため、国民スポーツ大会へと改称が行われました。

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国民体育大会には天皇陛下が御臨場される


国民体育大会の開会式には、天皇皇后両陛下が御臨場されます。
そして、天皇陛下から「おことば」を賜るのが恒例です。

国民体育大会は、全国植樹祭・全国豊かな海づくり大会と並び、三大行幸啓の1つとされています。
※行幸(ぎょうこう)
天皇陛下が外出されること
※行啓(ぎょうけい)
皇后陛下・皇太后陛下・皇太子殿下・皇太子妃殿下が外出されること


関連記事:全国植樹祭とは何?いつ行われる?天皇陛下が御臨席されるのは?

関連記事:全国豊かな海づくり大会とは何?いつ行われる?何をするの?

今回の記事では、国民体育大会についてのトリビアを、あれこれ見てきました。


今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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