全国豊かな海づくり大会とは何?いつ行われる?何をするの?

日本は、魚介類の消費量が、世界でもトップクラスの国の1つになります。

この消費を支えていくためには、水産資源の適切な保護・管理が不可欠です。
そこで大切になってくるのが、海や湖沼・河川の環境保全に対する意識になります。

「全国豊かな海づくり大会」は、そうした環境保全に対する意識を高め、水産業に対する認識を深めるための国民的行事です。

今回の記事では、全国豊かな海づくり大会についてのトリビアを、あれこれ見ていきたいと思います。

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全国豊かな海づくり大会とは?


水産資源の保存を図る全国豊かな海づくり大会

全国豊かな海づくり大会とは、水産資源の保護・管理と海や湖沼・河川の環境保全の大切さを広く国民に訴えることを目的として、毎年1回行われている行事です。
また、つくり育てる漁業の推進を通じて、未来の日本漁業の振興と発展を図り、安全で美味しい水産食料を食卓に届けることも開催の趣旨となっています。

全国豊かな海づくり大会は、豊かな海づくり大会推進委員会と開催都道府県が組織する大会実行委員会が主催しています。

このうち、豊かな海づくり大会推進委員会とは、全国豊かな海づくり推進協会と会員団体及び賛助会員団体で構成された組織です。
また、農林水産省も後援という形で大会に関わっています。

大会には、天皇皇后両陛下も御臨席される他、全国各地から多数の参加者が訪れます。
2019年の秋田県での大会には、実に3万人規模の参加者が見込まれているのです。

大会では、以下のような行事が行われます。

■式典行事
功労団体の表彰、最優秀作文の発表、大会決議など

■放流行事
来場者による稚魚の放流

■関連行事
各種コンクール優秀作品の展示、企画展示、特産品の販売など

全国豊かな海づくり大会の始まり


全国豊かな海づくり大会は、1981年に大分県で第1回大会が開催されました。
大会が開催されるようになった背景には、水産資源枯渇への危機感があります。

確かに、高度経済成長期を経て、日本の生活水準は確実に向上しました。
ですが、工業化による沿岸地域の環境悪化や、漁獲量過多による水産資源の現象が心配されるようになります。

そこで、漁業関係者は、幼稚魚放流を中心とする栽培漁業の推進や、湾岸地域の清掃など、様々な取り組みを通して、水産資源の維持培養を推進するための運動を展開します。
全国豊かな海づくり大会は、こうした運動を国民に浸透させるため開催されるようになった行事なのです。

全国豊かな海づくり推進協会とは?


全国豊かな海づくり推進協会は、東京都中央区に本部を置く公益社団法人です。
2003年10月に発足し、2013年4月1日に公益社団法人へと形態を移行しました。

同協会は、水産基本法の基本理念である「水産物の安定供給の確保」と「水産業の健全な発展」を目的としています。
そして、その目的達成のため「水産動植物の増殖・養殖」「水産動植物の生育環境の保全・改善」「水産資源の適切な保存管理」等を包括的に実施する「豊かな海づくり」を推進していくための中心的役割を担う組織です。

全国豊かな海づくり推進協会は、会員である各都道府県や漁業関係団体、水産庁などと連携し「豊かな海づくり」推進のための事業を行っています。
主な事業内容としては、以下のようなものがあります。

■豊かな海づくりの企画推進等にかかる事業
「豊かな海づくり」に関する施策の確立・拡充に向けた検討を行っていく事業

■豊かな海づくり推進事業
全国豊かな海づくり大会の推進や、藻場や干潟の保全等の環境・生態系の保全活動についての指導・助言や普及・啓発等を行う事業

■広域に連携・共同した種苗生産、放流体制をめざす栽培漁業連携推進事業
広域的な栽培漁業の推進体制となる、海域栽培漁業推進協議会の連携を推進していく事業

■栽培漁業技術の開発と普及促進及び生息環境の保全推進事業
種苗生産コストの低減技術の確立、適地・適時での効率的な種苗放流技術の確立、放流効果の科学的な検証、環境・生態系と調和した増殖技術の推進等を行う事業

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全国豊かな海づくり大会が行われるのはいつ?


全国豊かな海づくり大会が行われる日は、その年ごとに決められます。
9月から11月の間で日を選び、開催されることが多いようです。

近年の開催日と開催地、大会テーマは以下の通りとなっています。

・第38回大会 2018年10月28日  高知県高知市・土佐市
 森・川・海 かがやく未来へ 水の旅

・第39回大会 2019年9月8日   秋田県秋田市
 海づくり つながる未来 豊かな地域

・第40回大会 2020年(日付未定) 宮城県(市町村未定)
 (テーマ未定)

・第41回大会 2021年(日付未定) 兵庫県(市町村未定)
 (テーマ未定)

全国豊かな海づくり大会は海のない県でも開催された


「豊かな海づくり」を推進するための全国豊かな海づくり大会ですが、実は海のない県でも開催された事があります。
なぜなら、「海づくりは川が支え、川の栄養素は山が補給する」という大会のコンセプトがあるからです。

そこには、「水は海から空へ、空から地面へ、湧き水として川へ、そしてまた海へ」という循環の発想があります。
「海に感謝する」のはもちろんですが、「海を育てる山や川にも感謝する」というわけですね。

内陸県で全国豊かな海づくり大会が開催されたのは、今までに3回となっています。

・第27回大会 2007年11月11日 滋賀県大津市 
 この湖(うみ)を 守る約束 未来のために

・第30回大会 2010年6月13日  岐阜県関市
 清流が つなぐ未来の 海づくり

・第34回大会 2014年11月16日 奈良県大淀町・川上村
 ゆたかなる 森がはぐくむ 川と海

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全国豊かな海づくり大会には天皇陛下が御臨席される


全国豊かな海づくり大会の式典には、天皇皇后両陛下が御臨席されるのが慣例となっています。
ただし、大会の開催当初は、今上天皇が皇太子としての立場で御臨席されていました。

式典では、天皇陛下の「おことば」を賜るとともに、天皇皇后両陛下による「御放流」といった行事も行われます。
全国豊かな海づくり大会は、全国植樹祭・国民体育大会と並び、三大行幸啓の1つとされているのです。
※行幸(ぎょうこう)
天皇陛下が外出されること
※行啓(ぎょうけい)
皇后陛下・皇太后陛下・皇太子殿下・皇太子妃殿下が外出されること


関連記事:全国植樹祭とは何?いつ行われる?天皇陛下が御臨席されるのは?

関連記事:国民体育大会とは何?いつ行われる?どんな競技が行われるの?


今回の記事では、全国植樹祭についてのトリビアを、あれこれ見てきました。


今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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