おしら様(オシラサマ)とは何の神様?千と千尋との関係は?


おしら様という神様をご存知でしょうか?

おしら様は、全国的に知名度があるわけではありませんが、東北地方で広く信仰されている神様です。
主に村の旧家などに祀られていいて、地域の生活に非常に密着している神様でもあります。

そんなおしら様ですが、あのジブリの「千と千尋の神隠し」に登場したのをご存知でしょうか?
改めておしら様の伝承や、ジブリとの関係についてまとめてみることにしました。

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おしら様は東北地方に伝わる神様


おしら様とは、東北地方で信仰されている家の神様です。
一般的には養蚕、農業、そして馬の神とされていますが、女性の神、目の神、子どもの神でもあります。

おしら様は、「オシンメ様」「オシンメイ様」「オコナイ様」「オシラホトケ」「オシラガミ」と呼称されることもあります。
そして「お白様」「オシラ様」「オシラサマ」といった表記がされる場合もあります。

おしら様のご神体は、桑の木で作った30cm程度の棒の先に、男女の顔や馬の顔を書いたり彫ったりしたものになるようです。
この顔を描いた桑の木に、布で作った衣を多数重ねて着せたものが一般的なようですね。

男と女であったり、馬と娘であったりと様々な様式があるのですが、ご神体は基本的に二体一対で祀られることが普通です。
そして祀られる場所については、家の神棚や床の間に祀られることが多いようですね。

おしら様に秘められた伝承とは?


オシラサマは養蚕の神様

おしら様には、東北地方に伝わる言い伝えがあります。

ある農家に両親と美しい娘がおりました。
そして、この家では一頭の牡馬を飼っておりました。

この家の娘は、その家の飼馬と仲が良く、毎日厩舎に行って寝ているほどでした。
そしてとうとう、その娘は馬と夫婦になってしまいます。

そのことを知った父親は、当然のように大激怒します。
そして父親は馬を殺し、その亡骸を木に吊り下げてしまいます。

その馬の死を知った娘は、その亡骸に縋り付いて泣きます。
そんな娘の姿を見た父親はさらに激怒し、馬の首をはねてしまいました。

その刹那、娘ははねられた馬の首に飛び乗ります。
すると、馬の首は娘を乗せたまま空へと昇っていきました。

そして天に昇った娘と馬は地上に戻ることはなく、おしら様になったという言い伝えです。
そのため、おしら様のご神体は、馬と娘等の二体一対となっているというわけなんですね。

また、おしら様が養蚕の神とされる理由には、以下のような説話によります。

娘を失った両親が悲しみにくれていたある日のことです。
天に昇った馬と娘が、両親の夢枕に立ちます。

そして、土間の臼に馬の頭の形をした白い虫がわく。その虫は蚕という。蚕を桑の葉で飼って、私の代わりに大事にして欲しい」と告げます。
これを聞いた両親は、娘の言葉通りに、臼にわいた蚕を大事に育て、これが養蚕のもとになったというものです。

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「千と千尋の神隠し」に出てきた「おしら様」


ジブリの「千と千尋の神隠し」におしら様が登場したのは述べましたが、どこに登場していたのでしょうか?

劇中で、白い体に赤い褌をまとい、赤いお盆をかぶっている神様を見た覚えはないでしょうか?
実は、あの恰幅がよく、可愛らしい姿をした神様が、おしら様なんです。



馬と娘の二対一体のご神体からは想像もつかない姿ですが、「千と千尋の神隠し」では大根をモチーフとした神様として描かれています。
もともとおしら様は農業の神という側面も持っていますので、そこを大根に掛け合わせたのではないかと個人的には思います。

そして「千と千尋」の作中では、おしら様は色々と主人公・千の手助けをしてくれます。
これは、子どもの神様でもあるおしら様の特徴が表れた一面なのではないかなと思います。

「千と千尋」でのおしら様は、姿かたちこそ言い伝えのものとは全く違ったものになりましたが、農業の神や子どもの神といった特徴をよくとらえたデフォルメがなされていると思いますね。


今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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