バターとマーガリンの違いとは?自然食品か加工食品か


突然ですが、あなたはバター派でしょうか、それともマーガリン派でしょうか?

「私は風味が好きだから、バターが良いです。」とか
「手軽にパンに塗ることができるので、マーガリン派です。」とか
「バターが好きだけど、バターは値段が高いからマーガリンを使います」など
人それぞれに分かれてくるものと思います。

しかしながら、このバターとマーガリンは見た目がよく似ています。
そして、調理での使われ方も似ていますよね。

親戚のように思えるバターとマーガリンですが、その違いは何なのでしょう?
今回の記事では、バターとマーガリンの違いについて考えてみたいと思います。

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バターとマーガリンの違いを項目別に


バターとマーガリンの違いとは

バターとマーガリンは、名前が違うように、実は全くの別物です。
その違いについて、以下の項目ごとに見ていきたいと思います。

・原材料と作り方
・風味や味
・誕生の歴史
・自然食品か加工食品か
・値段の違い
・含有カロリー
・含まれる栄養価


原材料と作り方


バターとマーガリンは、その原材料と作り方が大きく異なります。

バターの原材料と作り方

バターの原料は、ズバリ牛乳になります。

もう少し詳しく言うと、生の牛乳からクリームと脱脂乳を分離し、クリームを攪拌し振動を加えることで脂肪分を分離させて、バターを作っていきます。

そのため、バターが含んでいる脂分は、原材料の牛乳由来の乳脂肪だけです。
その他の植物油等を製造の過程で加えることはありません。

作り方の順番を示すと

1 生乳の水分とクリームを分離する
2 クリームをかき混ぜる
3 練り上げて成型して完成


となります。

ちなみに、販売されるバターは、乳脂肪分と水分の割合が法律で決められています。
バターは乳脂肪分が80%以上で、水分が17%以下である必要があります。

マーガリンの原材料と作り方

マーガリンは、なたね油、大豆油、コーン油、もやし油といった植物性の油脂が主原料になっています。
これらの油脂に、水と食塩を乳化剤を加えて乳化させて、マーガリンを作ります。

なお、マーガリンについても、油脂の含有率が法律で決められています。
マーガリンは、80%以上が植物性油脂で出来ている必要があります。

ちなみに油脂の含有率が80%未満のものは、ファットスプレッドという製品になります。


風味や味


バターは、乳脂肪が主成分となっています。
そのため、香りが独特で、味にしっかりとしたコクがあります。

また、バター特有のどっしりとした風味があり、お菓子に使ったりするのに適していますね。

これに対し、マーガリンは主に大豆油やコーン油といった植物性の油脂を使っていることから、風味はアッサリしています。
使われている油脂の特性によって、味や風味が微妙に変わるという特性があります。

バターに比べて軽い味わいで、サンドイッチ等と合わせやすいのがマーガリンの特徴になります。


誕生の歴史


バターとマーガリンには、その歴史にも大きな違いがあります。

バターの歴史

バターには、かなり古い歴史があります。

紀元前2000年前には、既にインドの経典にバターが登場しています。
ただ、その当時は食品ではなく、医薬品や化粧品として使用されていたようです。

食品として用いられるようになったのは、もう少し後の時代になってからです。
だいたい、紀元前60年頃から食品として口に入るようになったといわれています。

なお、バターが日本に伝来したのは江戸時代のことです。
当時は薬用として用いられていたようですが、明治に入ってから食品として広まりました。

マーガリンの歴史

バターは紀元前までさかのぼる歴史を持っていますが、マーガリンはそれほど古い歴史をもっているわけではありません。
マーガリンの歴史は、1869年のフランスからスタートしています。

当時のフランスは隣国プロシアとの戦争の真っただ中でした。
そのような背景で、フランス国内ではバター不足が深刻な状況になっていたんです。

そこで当時の国王ナポレオン3世は、バターの代用品を懸賞募集することを命令します。

この時に選ばれたのが、メージュ・ムーリェという化学者が考案したものでした。
それは、牛脂と牛乳を混ぜて冷やしてから固めたもので、これがマーガリンの原型になりました。

最初は牛脂と牛乳を混ぜて固めただけのものでしたが、やがて植物油を固形化する技術が開発され、現在のマーガリンのような形になっていきます。


自然食品か加工食品か


バターの原料は、自然の原料である牛乳のみでした。
ですので、自然の原料のみを用いて作ったバターは自然食品ということになります。

これに対し、マーガリンの原料は、加工品である様々な油脂類です。
さらに、その生産の過程でも、様々な加工の行程を経ることになります。

従って、マーガリンは加工食品、もっと言えば工業製品ということができます。


値段の違い


バターとマーガリンを比べると、同じ量の場合、マーガリンの方が安価で購入できます。

バターの方が高価になってしまうのは、原料が牛乳であることから、どうしても生産量が限られてしまうためです。
過去には、原料の生乳が不足したため、バターが店頭から消えたこともありました。

それに対し、マーガリンは原料の油脂を調達することが容易です。
そのためマーガリンはリーズナブルな価格で、安定した供給が可能になっています。

以上のような理由から、バターよりもマーガリンの方が安価で販売されているわけです。


バターとマーガリンの含有カロリー


実はバターとマーガリンの含有カロリーは、ほとんど変わりがありません。

バターは80%以上が乳脂肪分で出来ています。
そしてマーガリンは80%以上が油脂で出来ています。

脂分を含む割合が同じくらいであることから、バターとマーガリンのカロリーはほとんど変わらないのです。
どちらも、大さじ1杯のカロリーは90kcal程度となっています。


含まれる栄養価など


先に述べた通り、バターの原料が牛乳であるのに対し、マーガリンの原料は様々な油脂です。
その主原料の違いから、バターとマーガリンに含まれる栄養価は、大きく異なっています。

バターに含まれる栄養価など

バターは主原料が牛乳であることから、乳脂肪(動物性油脂)を多く含みます。
この乳脂肪はビタミンAを多く含むという特徴がある他、ビタミンDやEも含んでいます。

ただし、脂肪分の多い食品は、コレステロールも多く含むという特徴があります。
体内のコレステロール値が高くなると、動脈硬化のリスクが高くなってしまいます。

乳脂肪分を多く含むバターは、摂りすぎに注意する必要があります。

マーガリンに含まれる栄養価など

マーガリンの原料は、主として大豆油やコーン油といった植物性の油脂です。
この油脂には、リノール酸やリノレン酸などの必須脂肪酸を多く含むものがあります。

これらの必須脂肪酸は、人の体内では合成することができません。
そうした意味でマーガリンは、優れた栄養素を含んだ食品ということができます。

しかしマーガリンには、トランス脂肪酸を含むという注意点があります。

トランス脂肪酸は自然界に存在しない油で、心臓疾患を引き起こすリスクがあるという報告もあります。
そのため、国によっては摂取量の制限を行っている場合もあるんです。

日本では、現在のところ、トランス脂肪酸について摂取量の制限はありせん、
ですが、マーガリンの製造メーカーの多くで、トランス脂肪酸の含有を抑えた製品を開発する取り組みが行われています。

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おわりに


ここまで見てきた通り、バターとマーガリンには、多くの違いがあることがわかりました。

風味や価格など様々な点を考慮して、自分好みのものを見つけたいところです。

ただし、どちらも過剰摂取に注意ということは共通しているので、そこは気を付けたいですね。


今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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